「図解&事例 スマート農業が拓く次世代の施設園芸 スマート化による生産性向上の事例集」が発行されました

日刊工業新聞社より、自著「図解&事例 スマート農業が拓く次世代の施設園芸 スマート化による生産性向上の事例集」が2022年3月28日に発行され、amazonなどで発売中です。本書は施設園芸分野におけるスマート農業の現状と今後の生産性向上におけるスマート農業の役割について、嚙み砕いて示しています。またそれらの豊富な事例を、実際の施設園芸経営体や大規模なプロジェクトなどからご紹介します。

施設園芸のスマート化は、古くは昭和時代末期の環境制御技術の導入に始まったと筆者は考えています。その本質は今も変わっておらず、植物生理をベースに、植物の生育にとっての最適な環境を制御するものです。また環境制御のみならず、労働力やエネルギーといった投入資源の適切な管理と、生産性の向上もスマート化の主要テーマになっています。

特に、農林水産省のみどりの食料システム戦略が策定され、2050年には化石燃料を用いない施設園芸を実現するという高い目標が設定される中、単なる省エネにとどまらず生産性を向上しながら、エネルギー利用効率の改善を継続する必要があると考えられます。本書ではこうした中長期のテーマも見据えながら、各分野の事例を交え、現在のスマート化の状況や今後の展望について整理したものです。

施設園芸におけるスマート化について網羅的に理解を深めたい方、現在の到達点や今後の展開についてお知りになりたい方など、多くの方に手に取っていただければと思います。

 

目次

はじめに

第一部 施設園芸の生産性向上とスマート農業の展開

第1章 施設園芸の生産性

(1)日本の食を支える施設園芸の現状と生産性向上
(2)施設園芸における生産性指標

第2章 施設園芸のスマート化の状況

(1)施設園芸での環境制御とスマー卜化
(2)スマート農業の施策と実証プロジェクト

第3章 次世代施設園芸への展望

(1)次世代施設園芸による大規模化への展開
(2)ICTによるデータの統合化への流れ

第二部 施設園芸でのスマート化の事例

第4章 施設園芸生産者が進めるスマート化の成功事例

(1)震災復興での大規模イチゴ施設のぜ口からの立ち上げと、生産~販売のスマー卜化~ (株)一苺一笑(宮城県山元町)
(2)トマト周年生産での様々な技術導入と、生産性管理アプリケーションの開発・販売 ~(株)井出トマト農園(神奈川県藤沢市)

第5章 ユニークな栽培管理・制御システムと導入事例

(1)Alで、植物が必要な潅水量を推定、制御する養液土耕栽培システム『ゼ口アグIJJと、こだわりトマトでの導入例 ~絹島グラベル(栃木県宇都宮市)
(2)環境モ二タリングと植物生理モデルにもとずく温室栽培支援システム『ThingFarm』とトルコギ‘キョウ栽培家族経営での導入例 ~望月鉄雄氏(静岡県静岡市)

第6章 地域協力・産官学で進める自制台スマート化への取組事例

(1)スマー卜農業実証プロジ、エク卜による大規模パプリ力施設への生産管理支援システム導入~大阪府立大学・愛彩ファーム九重(大分県九重町)
(2)高知県でのloP (Internet of Plants)によるNext次世代型施設園芸農業の展開
(3)国内の施設園芸と野菜生産を支える育苗業界のスマー卜化 ~ベルグアース(株)(愛媛県宇和島市)、(株)九州野菜育苗センタ一(熊本県菊池市)
(4)大規模施設で、のキュウリ多収栽培の実証と ICTを活用した技術普及~ゆめフアーム全農SAGA (佐賀県佐賀市)

 

以上です。